「鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置について(答申素案)」に対する意見
2013年12月15日
環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室 御中
1 該当箇所
1ページ5、6行
2 意見内容
狩猟史についてバランスの取れた記述にする。もしくは全文削除すること。
3 理由
被害防止以外の目的による捕獲(権力者による鷹狩等)、捕獲の禁止、保護・禁忌の理念、明治期の乱獲と絶滅・激減等に関する記述がない。日本の狩猟史の概要説明としては、あまりにも短絡的な表現であり、国民の誤解を招く恐れがあるため、この内容であれば記載の必要はない。
1 該当箇所
1ページ14行
2 意見内容
「急速な個体数増加と分布拡大が起こっ」た原因を明記すること。
3 理由
個体数増加と分布拡大が起こった要因については、オオカミの絶滅、長期的な視野を欠いた戦後の拡大造林政策とその後の放置、過疎化により中山間地域の伝統農林業・コミュニティが崩壊し、バッファーとなる里山の維持管理が困難になった等が挙げられる。きちんと明記するべき。国民の著しい誤解(野生動物は自然のままでも人間がコントロールしなければ急増するものだ等)を招く恐れがある。
1 該当箇所
1ページ21、22行
2 意見内容
「従来の保護のための施策から(中略)施策への転換が不可欠である」を「従来の保護および管理の施策について慎重に見直すことが必要である」に改める。
3 理由
従来、保護一辺倒の施策が行われてきたわけではない。保護と管理は最低でも並行して進められるべき政策の両輪である。問題は、PDCAサイクルが機能していない、広域管理の認識に欠けていた等、個々の施策の運用に欠陥があったことに起因しており、保護施策そのものが誤っていたわけではない。
1 該当箇所
1ページ21、22行
2 意見内容
削除すること。
3 理由
生物多様性国家戦略に掲げる自然共生社会の実現は、既存の開発・公共事業のあり方の再検討、価値観の再構築に主眼を置くべきものであり、生物多様性に配慮する開発が未だ主流となっていないわが国の現状を顧みるなら、鳥獣管理をもって多様性に資するとの表現は、やはり国民に大きな誤解を招く恐れがある。
1 該当箇所
2ページ6~8行
2 意見内容
「これらは概ね種の保存法等により保護が図られており、(中略)状況は概ね横ばいである」とあるが、「多くの種が依然として厳しい状況にあり、レッドリストは直接的な法的効果を持たないため、引き続き保護のための施策の強化が求められている」旨付け加えること。
3 理由
環境省の発表した第4次レッドリストを見る限り、適切な保護施策により改善が図られた状況とはいえない。哺乳類では、新たに8種・個体群がリストに追加された一方、種数が横ばいに見えるのは亜種の統合によるもので、個体数推移の評価に基づくものではない。鳥類においても、11種・個体群が新規追加されたが、外れたのは迷鳥と判断された2種のみである。そもそも、絶滅危惧からの改善を図ることが法の趣旨である。この記述では、「保護施策は十分でもう必要ない」との、著しい誤解を国民に与える恐れがある。
なお、上記は平成24年8月28日の環境省の報道発表にて使われている表現に基づく。
1 該当箇所
2ページ11~20行
2 意見内容
削除すること。
3 理由
環境省の生物多様性情報システム(J-IBIS)にて公開されている特定哺乳類生息状況調査報告書(平成23年) によれば、中大型哺乳類5種における既存情報と階層ベイズ法による推定値との間には、きわめて大きな開きがある。階層ベイズ法の性質について詳細な解説を答申に含めることができないなら、偏った参照情報を与えることになり、国民の誤解を招く恐れがある。
1 該当箇所
2ページ25行
2 意見内容
農林水産業に対する被害とそのコストの相対的な割合を明記し、国民に可視化できるようにすること。
3 理由
気象・天候被害、為替変動による燃油等の高騰、TPP加入による影響等によるコストも列記すべき。コストの数字については、国民の理解を得るためにも相対的な評価が必要である。
1 該当箇所
2ページ25~27行
2 意見内容
「数字に現れない被害」は削除するか、「数字に現れない効用」について併記すること。
営農意欲の低下・耕作放棄地増加を招く他の要因についても明記し、その比率について検証すること。
3 理由
法改正・予算運用の根拠とするにはきわめて不十分かつ公正を欠くあいまいな記述であり、官庁作成の文書の体をなしていない。
1 該当箇所
2ページ29~31行
2 意見内容
「社会が直接的な被害のコストも負担」との記述は削除するか、具体的な数字を算出し、明記すること。
3 理由
法制の見直し・予算執行の根拠とするにはきわめて不十分かつ公正を欠くあいまいな記述であり、官庁作成の文書の体をなしていない。
「被害を防止するための予算や労力」/「鳥獣被害防止総合対策交付金」については、農協組織等への外国産品との価格差対策その他の名目で支給されるすべての交付金の金額を併せて提示し、鳥獣被害防止が占める比率を国民に可視化できるようにすべき。また、農林水産業の防災を名目とする国・各自治体の整備事業のコストも合わせて明示すべき。
1 該当箇所
2ページ40行~3ページ1行
2 意見内容
「重要な景観構成要素」以下を削除すること。
3 理由
わが国では未だ、重要な景観構成要素である自然景観に十分配慮した開発がなされているといえない。お花畑の消失に関しては、盗掘や踏み荒らし行為等、観光客の増加とモラル低下の影響も決して無視できない。植生への影響に関しては気候変動も大きく、昨今の気候変動枠組条約における日本政府の後退姿勢は理解に苦しむ。
こうした表現は、あたかもニホンジカが日本の生態系に影響を与えている最大の要因であるかの如き、きわめて重大な誤解を招く恐れがある。
1 該当箇所
3ページ6~8行
2 意見内容
具体的な件数と増減傾向をあげるか、削除すること。また、日本に限った話ではまったくないので、海外の事例と行政の対応を紹介すること。
3 理由
法制の見直し・予算執行の根拠とするにはきわめて不十分かつ公正を欠くあいまいな記述であり、官庁作成の文書の体をなしていない。
1 該当箇所
3ページ8~11行
2 意見内容
「さらに」以降を削除すること。もしくは、投資対効果を明示し、評価が誤っていた場合の省としての責任の取り方も明示すること。
3 理由
従来の護岸・ダム一辺倒の硬直した治水等防災事業のあり方が見直されている中で、こうした根拠薄弱な主張をほかでもない環境省が展開することに対しては、深い憂慮を覚える。具体的根拠ひとつ示さず、「激甚」との表現を用いることは認容の限度を超える。
1 該当箇所
3ページ33~36行
2 意見内容
「例えば」以降を保護管理の成果に書き直すこと。
3 理由
「一定の成果が上がっている」としながら、挙げられているのは捕獲数である。捕獲数は「科学的・計画的な保護管理」の過程であって成果・目標ではない。地域個体群の安定等、あくまでも保護管理における「一定の成果」を示すこと。無論、成果につながっていないのであれば、すべて削除すべき。
1 該当箇所
3ページ37~4ページ6行
2 意見内容
特定計画の運用の評価について、全面的に書き直すこと。
3 理由
5年後の評価であればいざ知らず、平成11年に設けられた措置の評価としては「目標設定の方法や目標達成の手段に課題」等、あまりにずさんな内容に愕然とする。都都道府県に管理を一任する特定計画に関しては、当初から多くの問題が指摘されていたはずであり、14年経って目標設定云々、「実行力の発揮が求められる」等の結論が述べられること自体、環境省の無策の表れと国民に受け止められても仕方がない。
7行目以降の特措法に関しても、国に倣いさらに下位自治体に責任を押し付ける形になった点は否めず、「連携が十分でないとの指摘」等の表現は無責任の謗りを免かれない。
1 該当箇所
4ページ17~40行
2 意見内容
全面的に書き直すこと。
3 理由
積極的捕獲はあくまで特定の種に対する例外的措置であり、保護が施策の基本であることに変わりはない。
環境収容力に見合った個体数調整は、この例外的措置に位置づけられる。科学的根拠に基づくとはいえ、すでに積極的な人為管理の範疇に含まれる。保護に位置づけられるものではない。
「環境収容力内の生息密度であっても、深刻な被害が生じている」のは、適正水準の評価に過ちがあるか、被害につながる他の要因があるか、いずれかと考えられる。にもかかわらず、そうした検証が不十分なまま、当座の被害に対する対症療法の形で、「実態としてもそういった意識で管理」(31行)が行われているとすれば、それはもはや科学の敗北というべき由々しき事態である。
必要なのは、基本をねじまげ、積極姿勢をアピールすることではない。長期間課題を放置し続けた責任について、しっかり検証し、反省することなくしては、鳥獣管理の充実を謳ったところで画餅と化す恐れがある。
1 該当箇所
5ページ3~21行
2 意見内容
制度設計、運用の欠陥について明記すること。
3 理由
野生動物の保護管理は、国が積極的に関与すべき、包括的・統合的管理が必要な領域である。地方自治体に丸投げし、バラバラな運用がなされたことで、越境する野生動物の広域管理に支障を来たすなど、特措法には大きな問題があったことが明らかになっている。「役立っていることもあり、逆もあり得る」(15行)とあるが、効果的・効率的な運用とは到底言い難い。合理的な連携体制を構築するにあたって、指針・制度の統一、明確化や責任・支出の一元化は避けて通れない。
野生動物はたとえ分布の狭い種や地域個体群であっても、時代に引き継ぐべき国民の共有財産であるとの認識のもと、国がイニシアチブを取る形に制度を改める必要がある。
1 該当箇所
5ページ24行~6ページ2行
2 意見内容
削除すること。もしくは、名称を「駆除に関する役割」に改めること。
3 理由
該当箇所の記述は被害に対する単なる応答にすぎず、個体群管理ではない。個体群管理とは、科学的根拠に基づき個体群を一定の水準に保つ管理手法を指す。個々の名目でバラバラに駆除事業を行っていること自体、個体群管理の趣旨に反する。
1 該当箇所
5ページ18~28行
2 意見内容
記述は適切だが、被害防除の役割が答申全体を通じて過小評価されており、位置づけの見直しが必要。
3 理由
「防護柵の設置や放置された農作物等の除去等による被害防除は、被害の未然の防止のみならず、適切に行うことで鳥獣の個体数抑制にもつながることから、個体群管理にとっても重要」とあるが、被害防除への取り組みが十分に、効果的に行われていないことが被害の拡大の根本にある。
国による専門家の配備、NGOの支援や民間ボランティアの活用も取り入れ、実効性・効率性・持続性の観点から被害防除対策の情報共有・指導を図ることで、結果として被害と社会的コストの低減も可能となるはずである。まず地域間で連携の取れた効率的な被害防除施策を強化したうえで、科学的評価を踏まえた例外的な個体数調整の措置が図られるべきである。
1 該当箇所
6ページ32~34行
2 意見内容
記述を見直すこと。とくに「目的として行うことは難しく」の部分。
3 理由
「公益」が個体群管理の名目として通用するのであれば、生息環境管理に通用しない理由はない。
むしろ、従来土地利用のあり方に「野生動物の保護管理」の視点が欠けていたことに問題がある。「難しい」などと及び腰にならず、環境省が主導権を発揮すべき。
1 該当箇所
7ページ1行~8ページ8行
2 意見内容
全面的に書き直すこと。
制度導入の負の側面について検証し、記述すること。認定制度の創設に伴う新たなコスト負担についても明記すること。
3 理由
捕獲体制の構築が事業者に任せることでなぜ効果的になるのか、言及がない。
複数の駆除会社を養成し、入札を行い、競争させることで低コストの駆除が行えるとの認識なのか。
あるいは、副産物を利用した複合経営などで合理化を図ることをイメージしているのか。駆除を一種のビジネスとした場合、収益の安定という事業者の利益と、年毎の環境変動に応じた科学的管理との間で摩擦が生じかねない。とくに、モニタリングを駆除事業者に委託することには、中立性・客観性の観点から大きな疑問が残る。
また、認定のための審査・研修の体制や機関と人員・予算について言及がない。認定機関を環境省所管の特殊法人とする場合、駆除事業が公共事業の性格を帯び、駆除会社・公益法人・環境省それぞれの責任が不明確になり、情報が不透明になり、行政の無駄につながる恐れがある。
1 該当箇所
7ページ29~35行
2 意見内容
「これまでの捕獲体制を否定するものではないことを強調したい。これまでの捕獲実績は評価されるべきものであるが」は削除すること。
3 理由
無意味な記述であるため。
1 該当箇所
8ページ13~15行
2 意見内容
「さらに(中略)寄与する」の記述を削除すること。
3 理由
次段で「検討すべき課題が多くある」とあるが、これらはむしろ、現行の許可を必要としない農林業者自らによるわな猟の抱えている問題に対する指摘にほかならない。進めるべきは法の抜け穴となっている無許可捕獲の実態の正確な把握と規制強化であり、規制緩和ではない。
1 該当箇所
8ページ25~26行
2 意見内容
削除すること。
3 理由
前項とともに、「安易なわな猟の増加はトラブルを増加させる」との声が狩猟従事者からも上がっている。単に捕獲従事者を増やすことのみを企図し、取得年齢を引き下げることは、技術を十分に体得していない未熟な狩猟者の増加につながりかねない。
1 該当箇所
8ページ32~9ページ14行
2 意見内容
矛盾する記述なので、全面的に書き換えること。
3 理由
「特定計画における(中略)狩猟規制の緩和のみである」とあるが、ニホンジカはそもそも当該特定計画の対象であり、計画は個体群管理を目指して制定されたはずである。次の文(ニホンジカ等の~仕組みが必要である)につながっていない。特定計画がそのための仕組みとなっていなかったのであれば、その旨明記するとともに原因を解析すべきある。
38行以下の「具体的には(中略)捕獲等にかかる規制緩和を行うことが考えられる」の文も、「特定計画におけるニホンジカの狩猟規制の緩和」がそれに該当しないというのであれば、日本語として明らかに矛盾した表現になっている。
9ページ2行「緩和の内容としては」以降も、狩猟規制の緩和そのものである。
特定計画における狩猟規制の緩和が不十分であり、新規に追加の措置が必要ということであれば、その旨具体的に明記すべきである。
一連の表現からは、何が狩猟規制の緩和で何がそうでないのか、緩和に問題があったのか、緩和だけだったから問題だったのか、緩和の追加措置が必要なのか、緩和以外の措置が求められるのかがわからず、まったく要領を得ない文章になってしまっている。
1 該当箇所
9ページ2~6行
2 意見内容
捕獲個体の放置の禁止の緩和の下りを削除すること。
3 理由
「やむを得ず放置する場合」とあるが、やむを得ないとの判断はどのタイミングで行われるのか。個々の自治体による捕殺許可の段階でか。捕獲事業者が捕殺した後、搬出が不可能と判断するケースも含まれるのか。後者であれば、「鉛断を使用していないこと」を条件とし得ない。鉛弾の使用を全面禁止するか、少なくとも個体数管理事業における鉛弾使用を禁止する措置を講じるのでなければ意味がない。さもなければ、放置の禁止の緩和措置は賢明とは言い難い。
鉛弾使用については、(10)①で、もっと踏み込んだ形で詳細に論じた方がよい。
1 該当箇所
9ページ7~12行
2 意見内容
詳細な解説にするか、呼称の紹介にとどめること。
3 理由
シャープシューティングを指す記述と思われるが、「夜間」の捕獲だから効果をあげているわけではない。日本の現場での課題もこの指摘にとどまらない。
1 該当箇所
10ページ22~26行
2 意見内容
「期待されており」を削除し、鳥獣保護員への負担へも言及し、課題も明記すること。
3 理由
鳥獣保護員は保護を基本とした「従来の」施策に則り、運用されてきた経緯がある。鳥獣保護員の活用については、関与の仕方について熟慮する必要がある。本来業務に支障を来したり、保護員としての資質が鳥獣管理本意で求められ、変質することがないよう、慎重な配慮が欠かせない。第三者的立場から事業者のモニタリングや捕獲計画を検証し、問題があれば反映させる仕組みを作れば、有効に機能するとは考えられる。
1 該当箇所
10ページ28~11ページ6行
2 意見内容
必要な記述だが、被害防除と同様、答申における位置づけが弱すぎるため、再考を求める。
3 理由
10ページ38、39行の記述は、状況を改善するために必要な、適切で効率的な鳥獣管理の前提であり、答申の中で強調されるべき。本来であれば、調査研究を推進し、情報を収集し、評価手法を確立したうえで、最適な管理手法を実行に移すことが望まれる。
被害に対する不満を一時的に和らげる目的で、見切り発車的に方針を転換し、鳥獣管理を推進することは、合理的な環境施策とは言い難く、国民の負担を増やすだけになりかねない。
1 該当箇所
11ページ8~24行
2 意見内容
問題点を列挙する形で大幅に書き換えること。 とくに17行「肯定されるべきものである」は削除すること。
3 理由
一般狩猟の促進を単純に推し進めることは、狩猟管理のための社会的なコスト負担増につながる。厳格な狩猟管理がなされなければ、科学的な個体群管理に齟齬を来し、狩猟下での人身事故が増え、猟銃を用いた犯罪の増加を招く恐れがある。
16行「自然と人との関わり方」は多様であり、個人の価値観に基づくものである。そのうちの特定の一部の利用の形態のみをことさらに強調し、国が国民に対して押し付けるべきではない。
20行「利便性の向上」は、質の低い狩猟者の増加とそれによって引き起こされるさまざまなトラブル、重大な社会的リスクの増大につながり得る。
同じく「経済的負担の軽減」は、行政による肩代わりを意味するのであれば、一部の層の趣味のために国民の経済負担を増加させることにつながり、公平性の観点からも容認できない。それであれば、同等の予算を調査研究の推進・評価手法の確立・専門技術者の養成・被害防除のためにこそ振り向けるべきである。
1 該当箇所
11ページ26行~12ページ1行
2 意見内容
全文削除すること。
3 理由
32行「科学的根拠を丁寧に説明する」とあるが、4ページの記述に関して指摘したとおり、この答申においてすら科学的・合理的な管理の考え方に破綻が見られる。
駆除個体の放置やそれにかかる対策の問題等が周知されず、命が粗末にされている実態を国民が自覚できていない状況で、「感謝の気持ちをはぐくむ」などと、耳障りのよいキャッチコピーで真実を覆い隠す啓蒙活動を国・行政機関が推進することは、国民を欺く行為に他ならない。
36行「多面的な恩恵」とあるが、問題を引き起こしている在来の野生動物も、本来豊かな自然環境の一部であり、まさに恩恵そのものである。
生態系の歯車が狂った背景についての真摯な説明、とりわけ過去の誤った政策の結果に対する反省なくして、社会の最弱者といえる野生動物の命を奪うことを正当化することは許されない。
捕殺を全否定するものではないが、謙虚さのかけらもない一方的な礼賛は、日本人・日本国民として道義的にも認められない。
児童を対象にした学校での啓発活動を含めるのであれば、なおさらである。
1 該当箇所
12ページ3~13行
2 意見内容
(8)と統合した上で、(9)の内容を主文とすること。
3 理由
8行「どのような関係を作っていくべきか」とあるが、前節(8)で短絡的な結論が述べられており、きわめて不可解である。
(9)こそが問題の核心であり、議論による合意形成の過程を踏まえたうえで、具体的な施策に反映させるのが本来行政のやるべき仕事である。
1 該当箇所
12ページ16~22行
2 意見内容
(7)「一般狩猟の促進」と整合性が取れないため、同節の内容を大幅に書き換えること。
3 理由
鉛弾の使用全面禁止は狩猟普及の最低限の前提であるべき。非鉛弾の普及を待たずに鳥獣管理を推進した場合の生態系への影響について、シミュレーションすることを求める。
1 該当箇所
12ページ23~26行
2 意見内容
9ページの意見で述べたとおり、放置の緩和と鉛弾の使用禁止措置の整合性を取ること。
3 理由
9ページの意見に同じ。
1 該当箇所
12ページ35行~13ページ4行
2 意見内容
外来鳥獣の取扱については、早急に役割の整理、一元化を進める旨付け加えること。
3 理由
一種の二重行政であり、被害防除のための予算が限られている中では、許されることではない。
1 該当箇所
13ページ6~13行
2 意見内容
80条の適応除外について検討する旨、記述すること。
3 理由
スナメリ等、近年水産資源としての利用実績のないクジラ目の種に関しては、水産資源の視点からのみしか管理を行わない水産庁を主務官庁としていては適切な保護管理が不可能である。
また、他の鯨類についても、狩猟管理と被害防除・鳥獣管理のノウハウを持つ環境省が、野生哺乳類として整合性のある保護管理施策を講じることが望ましい。
以上