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捕鯨論説・小説・絵本のサイト/クジラを食べたかったネコ

── 日本発の捕鯨問題情報サイト ──

(初出:2018/8)

捕鯨推進は日本の外交プライオリティ№1!?
 ──IWC票買い援助外交、その驚愕の実態──

(1)水産ODA──アナクロな札束外交の象徴
(2)捕鯨支持国とそれ以外の国との間で見られる顕著な〝援助格差〟
(3)日本に捕鯨支持という〝踏絵〟を踏まされる開発途上国
(4)捕鯨援助で本当に利益を得ているのは誰か
(5)補足:各捕鯨支持国の解説

(6)セントビンセント・グレナディーンのケース
■IWC直前にSVG首相〝おもてなし〟のワケ

 2018年8月5日から9日にかけ、カリブ共同体(カリコム)の一国セントビンセント・グレナディーン(以下、SVG)のゴンザルベス首相が日本を訪れ、7日には安倍首相と会談した。

日・セントビンセント及びグレナディーン諸島首脳会談(8月7日、外務省)
日・セントビンセント首脳会談等(8月7日、首相官邸)
首相、国連安保理改革で連携確認(8月7日、共同通信)
日セントビンセント首脳会談(8月7日、時事通信)
セントビンセント、台湾と断交せず(8月6日、日経新聞)

 SVGはIWC加盟国の中で日本の捕鯨を支持するグループに属し、当ODA解説記事(2)~(4)でも同国の名は再三登場する。
 IWCで日本に同調する国々は2つに大別される。1つは自国も捕鯨を行っているノルウェー、アイスランド、ロシア、韓国の4カ国(韓国は混獲の名目でミンククジラやスナメリを捕獲)。もう1つはそれ以外の、日本から多額の援助を受け取っているものの自国では捕鯨を行っておらず、将来行う余地もない非捕鯨国である。その中で、SVGは唯一の例外といえる被援助捕鯨国である(小型鯨類対象の漁業を除く)。
 もっとも、捕鯨国といっても──上掲共同記事等日本の報道ではひとくくりにされるが──その形態は日本の大規模な公海・南極海母船式捕鯨とは対照的な、きわめて小規模な沿岸捕鯨であり、IWCでは先住民生存捕鯨として位置づけられている。同国の捕鯨、日本との関係の詳細については後述する。
 外務省発表にもあるとおり、SVG首相は今回「実務訪問賓客」として日本側に「招待」された。安倍首相主催の晩餐会の経費はもちろん、ゴンザルベス首相・同夫人および随伴職員の渡航費・滞在費その他の費用はすべて日本政府持ちだ。つまり、日本国民の税金で賄われる。その額は1千万円は下らないと思われる。
 招く側の日本、そして(財政負担ゼロとはいえ)招かれる側のSVGにとって、今回の首相訪日は一体どのような国益上の意味を持つのか? そして、なぜこのタイミングだったのか?
 外務省発表をもとに会談の主な内容を要約しよう。

①二国間および日・カリコム関係の強化

②SVG国民に対する数次ビザの発給要件の緩和

③北朝鮮拉致問題・核問題における日本の立場への支持取り付け

④国連安保理改革における連携

⑤IWCにおける連携、9月のIWC総会での日本提案への支持取り付け

 ①は当たり前の話なので除外するとして、②は数次有効のビザの有効期間を3年から5年に延長し、対象範囲に医師・弁護士・公務員等を加えるというだけの話であり、わざわざ地球の裏側のカリブから首相を招いて伝える必要のある用件ではない。外務省資料における日本およびSVG両国の相手国在住人数はずっと5人ずつ、日本からの進出企業もゼロのままで、発給要件の緩和により両国の交流が劇的に増大するとも考えにくい。SVG首相自身は交流促進や投資拡大への期待を表明しはしたものの、今回の訪日を報じた共同・時事・日経3社のうち、ビザの件を取り上げたところは1社もない。
 ③は安倍首相自身が強調し、時事報道でも大きく扱われている。しかし、現実問題として、北朝鮮に対し実効的に影響を行使し得る国は米中露のみである。SVGからの支持が日本政府にとって対北朝鮮カードになるとは非常に考えにくい。実は、SVG自身は北朝鮮と国交のある多数の国々の1国ではある。だからといって、安倍首相がゴンザルベス首相に対し、北朝鮮との断交を求めるなり、外交チャネルを通じて日本との間を取り持つよう求めた節はない。
 ちなみに、SVGは他のいくつかのカリコム諸国とともに核兵器禁止条約に調印している。核のない世界を築くにあたって同条約と核不拡散条約のどちらがより実効的かは意見の分かれるところだが、いずれにしても北朝鮮以外の核廃絶の進め方について両首脳が話し合った形跡はない。日本国民の悲願である核廃絶は、安倍首相にとって拉致問題や捕鯨問題ほど重要な外交事案ではなかったようだ。
 ④は共同記事のタイトルでもあるが、実は2年前に安倍首相の方からトリニダード・トバゴを訪れ、当のSVGゴンザルベス首相を含むカリコム首脳と会談した際にも「国際場裡における協力」が議題になっている。もちろん、これは具体的には国連安保理およびIWCを指す。とくに「安保理改革での連携」は、アジア・アフリカ・大洋州等の援助対象国とのサミット・二国間外交の場で、日本側が決まって取り上げているテーマだ。しかし、国連安保理改革をめぐっては、既得権益を失いたくない現常任理事国、拒否権行使を問題視するグループ、自国のプレゼンスを高めるべく新たに常任理事国入りを目指す一部の国の間で折り合いがつかず、2005年に事務総長による改革案が示されて以降、進展は見られない。再度ゴンザルベス首相を日本に招いて伝えるべき新たな情勢の変化がこの2年間であったとは非常に考えにくい。

日・カリコム首脳会合(概要) (2014年7月30日、外務省)

 となれば、唯一タイミングがぴったり一致する翌月のIWC総会における日本提案支持こそが、今回ゴンザルベス首相を招聘した最大の目的とみて間違いないだろう。

 だが、なおもひとつ疑問が残る。水産庁はいま、9月にブラジルで開催されるIWC年次会議へ向け、投票権停止国の復帰や新規加盟国獲得を通じた多数派工作を貪欲に進めているところだ。現在40カ国以上ある日本支持国の中で、なぜSVGのゴンザルベス首相のみ特別に接遇し、開会直前のタイミングで日本に呼んだのか?
 その謎を解く鍵となるのが、いまSVGで起きている変化である。

Turning the tide in St Vincent and the Grenadines(2017年3月27日、WDC)

 以下はゴンザルベス首相自身が昨年1月、すなわち中米を訪問した安倍首相と会談した後に語った言葉である。

A lot of our young folk are interested not so much in the actual traditional whaling, but in whale watching, which is a legitimate activity.
多くの若者は伝統捕鯨より(正当な活動であるところの)ホエール・ウォッチングの方に興味がある。

 ここで上掲の日経によるゴンザルベス首相へのインタビュー記事からも引用しよう。

セントビンセントの経済は農業と漁業が主力だが、最近は観光が伸びている。年間に10万人が宿泊するほか、クルーズ船の寄港に伴う訪問客が30万人いるという。現状では観光分野は国内総生産(GDP)のうち「15~18%程度を占めるが、今後は上昇していく」と展望した。

 WDC記事によれば、SVGでは海洋生物を対象にしたウォッチング・ツアーが90年代初頭に始まり、人気を博している。季節ごとに回遊してくるザトウクジラやマッコウクジラのほか、シャチやハンドウイルカなどの小型鯨類も年中観察できる。国際専門家の助言のもと、同国内の環境保全NGO主導で観光事業者のためのホエール・ウォッチングのプログラムもすでに開発されている。SVGにとって、鯨類は経済成長を支える観光産業の目玉となる、重要な非消費的資源となりつつあるのだ。ゴンザルベス首相の発言はその事実を踏まえたものといえる。
 このままでは捕鯨支持から保全派に鞍替えしたガボンのようになりかねない──危機感を感じた水産庁がSVGを自陣に引き留めるべく、総会開会直前の手厚い〝おもてなし外交〟の実現を働きかけたとしても、驚くには当たるまい。

■日本では報道されないSVGシャチ虐殺・ツアー中止事件

 一方で、ゴンザルベス首相発言のあった同じ2017年、SVGでは以下のような事件も起こった。

St. Vincent to introduce legislation outlawing the killing of orcas(2017年4月5日、アンティグアオブザーバー)
Whale-watchers horrified to witness fishermen harpoon two orcas(2017年4月6日、ワシントンポスト)
Shocking pictures show orcas chopped up for food on a Caribbean beach after being harpooned in front of horrified cruise-goers(2017年4月7日、デイリーメール)

 捕鯨業者がウォッチング船の目の前でシャチを殺したため乗客がショックを受け、その後のツアーも中止せざるを得なくなった。この事件を受け、ゴンザルベス首相は5日後のラジオで「漁師たちの行動は間違っていた」と述べるとともに、シャチの殺害を禁止する法律を制定すると発表した。
 英米等のメディアが大きく取り上げた以上、早急に事態の沈静化を図らなければ〝風評被害〟が広がり、観光業が打撃を受けることになりかねない──そう判断したのだろう。このところ失言その他に対する対応が常に後手後手に回っている感のある日本の政治家に比べると、ゴンザルベス首相は迅速な決断力に長けていそうだ。
 しかし、残念ながら、事態はこれで収まらなかった。首相の約束は果たされることなく、1年後の2018年にも捕鯨業者が3頭のシャチを殺害したことが発覚した。

Three orcas killed in St Vincent contrary to PM’s commitment(2018年4月16日、iウィットネスニュース)
ST VINCENT - Three orcas killed in western St Vincent (2018年4月18日、カリビアンニュースサービス)

 なぜこのような悲劇が繰り返されてしまったのか?
 その背景には大きな要因が2つある。1つはSVGの伝統捕鯨の性格。そして、もう1つは日本の影響である。

Description of the Bequia Aboriginal Subsistence Hunt: St Vincent and the Grenadines(IWC)

 IWCで認可されているSVGの先住民生存捕鯨枠は年間4頭。捕獲実績は年0頭~2頭である。規模の点でも、日本の調査捕鯨とは比べものにならない。
 とはいえ、SVGの捕鯨は、上掲WDC記事でも指摘されるとおり、そもそも本来の先住民生存捕鯨の定義に当てはまらない。
 捕鯨が行われているベキア島はもともと無人島で、1870年代にヨーロッパからの移民が米国帆船式捕鯨、いわゆるヤンキー捕鯨を開始したのがそのルーツである。動力船と捕鯨砲に特徴付けられるノルウェー式近代捕鯨でこそないが、すべて海の外から持ち込まれた技術であり、現在の担い手も移民の子孫である。まさに言葉どおりの〝植民地捕鯨〟なのだ。
 1870年頃といえば、ちょうど太地で無理な出漁による大事故が起こり、鯨組が崩壊した時期にあたる。太地鯨組の経営者が事業を拡大すべく北海道進出を図ったのは、その前のことだ。アイヌの捕鯨が松前藩によって理不尽に搾取されたあげく、明治政府に猟法を禁止され漁業権まで奪われたため、倭人・太地の古式捕鯨より、またSVGのヤンキー捕鯨よりはるかに歴史の古い伝統先住民捕鯨の存続が不可能になったのは1871年のことだ。
 北米西海岸の先住民諸族と同様、アイヌの人々にとっても、シャチは畏敬の対象、海の恵みをもたらしてくれる神〝レプンカムイ〟であり、獲物ではなかった。

倭人にねじ伏せられたアイヌの豊かなクジラ文化

 海洋生物界最強の捕食者とされるシャチだが、生態的には最弱者といえる。持続的利用の対象となり得ないことや、シャチがいることでクジラや魚などの獲物を追い込んでくれるといった〝知恵〟は、倭人の古式捕鯨やSVGのヤンキー捕鯨のような〝日の浅い〟伝統では獲得できないのだろう。
 ザトウクジラのみに関していえば、この水準なら個体群に影響を与えるほどではなく持続的利用の範囲かもしれない。しかし、繁殖率の低さや特異な社会性から慎重のうえにも慎重さが求められるところのシャチやコビレゴンドウを並行して捕殺しているとなれば話は別だ。IWCの対象外だからといって、調査も監督もなしに行われているとすればなおさらである。
 2017年に捕殺された2頭は4頭から成るポッドのうちの2頭とされる。シャチの場合、残された2頭の生残率に大きく影響するのは必至で、群れ1つ分全滅させてしまった可能性すらある。
 もう1つの日本の援助および〝ジゾクテキリヨウ主義〟が与えた影響は、虐殺を繰り返して非難された2018年の捕鯨業者の言い訳に如実に表れている。

The Barrouallie crew have defended their action, stating they have broken no local law because the goernment is yet to pass a law banning the killing of these marine mammals, however, if a ban were in place they would adhere to it.
禁止する法律ができたら守るが、法律はまだない。(~カリビアンニュースサービス)
They say it is endangered [but] when you go and research on YouTube and Facebook, it is not an endangered species.
シャチは絶滅危惧種だというが、ユーチューブやフェイスブックで調べてみろ、絶滅危惧種なんかじゃないんだ。(~iウィットネスニュース)

 実に驚くべき〝先住民〟もいたものだ。まるで日本の反反捕鯨ネット右翼である。フェイスブックで入れ知恵したのは日本の関係者かもしれないが・・。
 確かに、シャチは現在のところIUCNレッドリストではDD(データ不足)を宛がわれているが、それは複数のエコタイプに分かれる複雑で特異な社会構造を持ち、種内の系統関係について結論が出ていないためである。シャチが人為的影響に対してきわめて脆弱な種であることを否定する研究者はいない(日本の一部の御用学者を除き)。
 一方で、日本とSVGとで大きく食い違う、矛盾する部分もある。それはシャチとザトウクジラの実際の扱いである。
 日本ではシャチは原則捕獲禁止である(学術目的を除く)。戦後小型捕鯨および追込猟の対象となっていたが、1966年からのわずか3年の間に年100頭以上を捕獲し、たちまち捕獲数が激減、1桁にまで落ち込んだ。まさにシャチの脆弱性および日本の捕鯨業の乱獲体質の証左である。さすがの水産庁といえど、禁止は当然のことだろう。
 学術目的の名目で太地が最後に5頭を捕獲したのは1997年(その後水族館行)。追い込まれた10頭のうち5頭はリリースされたことになっているが、一部はまさにSVGと同じく食用に殺害され、市場に回されたのではないかとの疑いも持たれている。

太地シャチ捕獲事件から10年(IKAN)

 20年前と同じように、また調査捕鯨と同じように、水産庁がシャチ捕獲/捕殺の許可を出す可能性は依然として残っている。また、2017年に水産庁が発表したレッドリストではIUCNとはかけ離れた独自の判定基準のもと、シャチはDDですらないランク外扱いとされてしまった。
 それでもなお、日本がシャチを〝建前上〟でまで食用・商業用に捕獲することはまずないと思われる。つまり、仮に日本がSVGによるシャチの商業捕殺を認めた場合、日本近海における自国のシャチの管理方針との間で明らかに大きな矛盾が生じるのだ。
 事情はザトウクジラについても同様である。日本はICJに違法認定された前南極海調査捕鯨(JARPNⅡ)の中で南半球のザトウクジラを捕獲対象種にしていた。実際には捕獲が実行に移されることはなく、オーストラリア・ニュージーランドに対する脅迫のカードとして使われたのだが。
 その一方で、自国の近海のザトウクジラについては、商業捕鯨モラトリアム以降、北太平洋のマッコウクジラや南半球のナガスクジラと同じ年間数頭の水準でさえ、調査捕鯨の対象にはしていない。非常に奇妙なことだ。
 日本にとってザトウクジラは、SVGよりは歴史の古い太地捕鯨の主要な捕獲(乱獲)対象鯨種の1つに他ならなかった。また、大っぴらにはならないが、現在でも混獲されたものは合法的に流通・消費されている。加えて、捕鯨協会等はザトウクジラが急激に増加しているとことあるごとに主張している。
 にもかかわらず、南極海・北西太平洋沖合/沿岸のいずれの調査捕鯨の対象にもなっていない。今回の〝接待外交〟でSVGゴンザルベス首相の支持を改めて取り付けた、今年IWC総会でかけられる提案の中にも、ザトウクジラの名は見当たらない。
 裏の理由として考えられるのは2つ。1つには、日本がシャチないしザトウクジラを殺した場合、SVGの比ではないほど世界中で非難の嵐が巻き起こるのは必至だから。
 そしてもう1つは、両種が小笠原・沖縄・知床等日本国内で行われているホエール・ウォッチングで非常に人気の高い観察対象種であることだ。つまり、〝日本人にとっても〟カワイイ動物なのである。
 シャチにしてもザトウクジラにしても、あくまで今現在捕殺対象とされないだけである。しかし、シャチとザトウクジラは捕殺せず、ミンククジラやイワシクジラを捕殺することの科学的な線引はきわめて不明瞭である。同じことが、両種の日本とSVGとにおける扱いの差についてもいえる。
 この点に関して大変興味深いのが、シャチが殺された2017年時のゴンザルベス首相の発言である(アンティグアオブザーバー)。

シャチとゴンドウクジラの肉を混ぜると味が良くなると主張する人もいる。だが、私は知らない。私はクジラを食べない。もちろん、ベキアで捕獲されるザトウクジラもだ。

 日本では自民党捕鯨議連の国会議員等関係者、あるいは著名人が自国の捕鯨への賛意を表明する場合、「自分は鯨肉を食べないが──」という但し書きを付ける例を筆者は知らない。
 これに近い例を挙げるなら、捕鯨に絡めて韓国の犬肉食に賛同するケースであろう。以下は元横浜市長中田宏氏の発言である。

韓国食文化論争:私、イヌ食べました(2017年12月27日、AGORA)

今回のように何度も問題になる食文化を知るためにあえて犬の鍋を食べましたが特別に美味しくはなかったので、次に食べることはありません。

 おわかりだろうか? 中田氏は「一度は食べた」としつつも「もう食べない」と〝予防線〟を張っているのだ。なぜか? 日本では〝引かれる〟ことを知っているからである。
 ゴンザルベス首相の「今の若者は捕鯨よりホエールウォッチングに関心がある」という1月の発言と考え合わせると、実に興味深い。
 これがもし日本だったら……例えば、安倍首相や二階自民党幹事長が「自分はクジラを食べないが──」と付け加えようものなら、きっと轟々たる非難を浴びるに違いない。
 実際、2009年に鳩山元首相がオランダ外相と会談した際、「鯨肉は嫌いだ」と発言したことに対し、産経新聞は見出しに「反捕鯨を後押し」とまで付け、いわゆる炎上騒ぎになった。あえて炎上を狙いながら(?)外した中田氏とは対照的である。

鳩山首相「クジラ肉大嫌い!」 反捕鯨後押し? オランダ首相との会談で(2009年10月30日、産経新聞、リンク切れ)

政府内からも「捕鯨国、日本の首相として甚だ軽率だ」との声が上がっている。(~産経)

 はたして自ら主催した晩餐会で、安倍首相はゴンザルベス首相に国産鯨肉を使った料理を振る舞ったのであろうか? 自民党捕鯨議連の国会議員や水産官僚は絶好の機会として鯨肉料理を出すよう進言しただろうか?
 それとも、押し付けのおもてなしにならないよう、最低限の〝気配り〟を示すことができただろうか?
 いずれにしても、学校給食で子供たちに半ば強制的な〝刷り込み〟を図る日本とSVGとでは、食文化の位置づけ・認識もまったく異なることがわかる。

■絶滅危惧種メバチマグロの輸入が急増

 SVGで起きたシャチ虐殺・ツアーキャンセル事件はワシントンポストなど米英メディアが大きく取り上げた。これは市民のクジラ保護に対する関心の高さのみならず、SVGがリゾート地として知られていることもあるだろう。英ウィリアム英王子一家も今年のバカンスをSVGで過ごした。
 一方、日本ではSVGにおける出来事がニュースになること自体ほとんどない。せいぜい国際スポーツ大会の開催地になったとき名前が載る程度だ。そもそも、日本国民でSVGという国の名称や場所を覚えているのは受験生くらいのものだろう。捕鯨・水産ODA関係者以外では。
 それ故か、日本のメディアでシャチ虐殺事件を報じたところは1社もなかった。
 上掲したとおり、ODA基礎データでは双方の在留邦人が5人ずつ、日系進出企業はゼロがずっと続いている。二国間貿易も、今世紀のSVGの対日輸出は履物や衣類などで年数十万~数百万円、対日輸入は自動車・原動機等数億円で、カリコム諸国の中でも最低水準だった。2014年までは。

表8:SVGの対日輸出とODA
グラフ13:SVGの対日輸出とODA

 上掲は2003年から2018年までのSVGの対日輸出とODAを表とグラフにまとめたもの(出典は財務省貿易統計および外務省ODA資料)。2015年、SVGの対日輸出は突然前年の200倍以上に膨れ上がった。その大部分は魚介類であり、さらにその9割以上をメバチが占めている。

グラフ14:SVGの対日水産物輸出の構成(2015-2017)

 メバチは現在IUCNレッドリストで絶滅危惧種の危急種(VU)として掲載されている。その主因は乱獲に他ならない。特に減少が著しいのは中西部太平洋なのだが。
 大西洋のメバチは大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)が管理している。同科学委員会の資源評価による乱獲の認定を受け、2010年に85,000トンに設定されたTAC(漁獲可能量)は2016年にさらに65,000トンにまで引き下げられた。
 大西洋メバチの主な漁業国は日本、台湾、スペイン、ガーナ等である。SVGのメバチ漁獲量は日本や台湾に比べればずっと少ない。ただ、ICCATで漁獲量・船隻数が規制されているのは先進国のみである。報告されたSVGの2016年のメバチ輸出量は漁獲量を上回っており、データの不整合を示している。

メバチマグロも乱獲深刻 日本漁船の主要漁場で減少(2015年5月11日、日経新聞)
Thunnus obesus(IUCNレッドリスト)
REPORT OF THE 2018 ICCAT BIGEYE TUNA DATA PREPARATORY MEETING(ICCAT)

 ICCATの統計データを見ると、SVGのメバチ漁獲量が2015年以降より1桁多かった時期がある。1998年~2002年は1,000~3,000トンに上っていた。
 実はこの時期、SVGはまだICCATに加盟していなかった。当時、規制の実効性を減じる非加盟国の便宜置籍船による違法操業、いわゆるIUU漁業が問題視され、2000年には加盟国にメバチの輸入禁止を求める決議が採択された。このとき名指しされたのが、ベリーズ、カンボジア、ホンジュラス、そしてSVGである。
 このうちホンジュラスを除く3国はいずれもIWC捕鯨支持国である。勧告は2002年にも再度なされたが、同年は下関でIWC総会が開催された年であり、日本はODAによる買収工作にせっせと勤しんでいた。たいした〝持続的利用同盟〟もあったものだ。
 2000年には、日本の冷凍船がこれらSVG等の便宜置籍船から洋上でマグロを積み替えていた事実も発覚している。今の北朝鮮の〝瀬取り〟とやってることはまったく同じである。

BELIZE, CAMBODIA, HONDURAS, ST. VINCENT & THE GRENADINES PURSUANT TO 1998 IUU RESOLUTION(OFDC)
マグロ冷凍運搬船「はつかり」の航跡(2007年6月7日、マグロは食卓から消えたか)

 ICCATの統計資料が示すとおり、輸入禁止勧告後にSVGのメバチ漁獲量は大きく落ち込み、2005年には0だった。結局、日本の水産ODAと捕鯨外交は、SVGの持続的なメバチ漁業の発展に何の役にも立っていなかったのだ。そればかりか、早期のICCAT加盟とメバチ漁業の適正な資源管理を促す代わりに、IUU漁業を放置したうえに便宜置籍船から絶滅危惧種を買い付けていたのである。
 そうした背景がありながら、SVGのメバチ漁獲量はいま再び増加に転じ、その多くが日本向けに輸出されているのだ。はたしてSVGの漁業は10数年前の無法状態をもう卒業したのだろうか? 現在では適切な水産資源管理がなされているのだろうか? 日本のODAはSVGの漁民のために役立つものになったのだろうか?
 高所得国のアンティグア・バーブーダやセントクリストファー・ネービス等には及ばないが、SVGも1人当たりGNIが6,790ドル(2016年・世界銀行)に達する、発展途上国の中では比較的所得の高い高中所得国である。本来なら無償援助の対象外なのだが、政治的な水産ODAがそれを可能たらしめている。
 SVGに対しては1987年のキングスタウン魚市場建設計画を皮切りに、数年置きに1案件数億円単位の水産ODAが供与されてきた。2006/07年のオウイア水産センター整備計画は1期・2期合わせて14.3億円に上る。ただ、5億円を超える規模のODAが振舞われ続けた中、最近の案件である2014年の水産関連資材整備計画は5億円を下回り、それ以降の無償援助は名目から水産が外れ、額も2億円規模に抑えられている状況である。
 2015年から激増した日本のSVGからのメバチ等水産物の輸入は、海外から票買援助との批判を浴びている直截的な水産ODAに代わる便宜供与の形態とも映る。
 もちろん、今後も新たな水産ODAの大型案件が実施される可能性はあるが、はたしてこれ以上のハコモノ援助が本当にSVGの漁業者・市民にとって必要とされているのだろうか?

■非持続的なSVGの漁業と日本のODA

 以下の資料はスリナムとSVGにおける水産資源管理の現地調査報告である。スリナムもSVGと同じくIWC捕鯨支持国である。発行元のマリノフォーラム21は2009年にOFCAと合併した水産系外郭団体(OFCAの詳細は上掲拙解説記事(4)を参照)。

平成26年度海外水産資源管理基礎調査委託事業調査報告書(農水省)

 同報告書に大変興味深い内容が書かれているので、いくつか抜き出してみよう。

水産局では我が国から供与された大小2隻の調査船を所有しており、大型調査船は自助努力により複数回の改修を行っているが、老巧化が進んでいる。また、不定期な調査航海のため、近年は恒常的に船長を雇う人件費が不足し、本調査時には船長が欠員となっており調査船は稼働していなかった。(p17)
キングスタウン魚市場の加工施設はHACCP基準対応施設であるが、HACCP認証はまだ取得されておらず、加工原料の集荷と輸出業者の誘致が進んでいないため、殆ど利用されていない。(p17)
なお、EU 諸国への水産物輸出を行うには、トレーサビリティーやHACCP基準対応施設での処理・加工が求められ、これらへの対応は同国にとっての大きな障壁となっている。(p17)

 これらは拙解説(1)で具体例を挙げて指摘した、前世紀の日本の水産ODAの特徴:現地の実情を把握せず、運用面も考慮しないハコモノ優先の発想が未だに抜けていないことを如実に示している。ちなみに、HACCP認証取得はEU・米はじめほとんどの先進国で義務付けられているが、日本国内では2020年の東京五輪に合わせようやく一定規模の事業者に限って制度化を進めている状況である。

CRFM の副事務局長は、加盟国間の協力のハブとなるべきCRFM事務局に人材・資金が十分に充てられていない一方、関係各国のCRFM 事務局に対する期待が過剰なため、業務過多となってCRFM 事務局が機能不全に陥りつつあるという。(p18)
啓蒙活動や情報共有により、多くの漁業者が資源量の減少に敏感になっているものの、科学的データが示されていないため、どのくらいの漁獲量が適正なのか判断できていないという。(p19)
独立した調査・研究機関は設置されていない。水産局はデータコレクターの配置や調査船調査により情報収集は可能な限り実施しているものの、漁獲量等のデータの分析・解析等については前出のCRFMやカリブ地域の高等教育機関である西インド諸島大学に依存している状況にある。(p19)

 つまり、SVGでは漁業実態に科学的な資源管理が追いついていないことを示している。発展途上国であればやむをえないかもしれないが、これではお世辞にも持続的水産業の先進国とは呼べない。
 気になるのは、FAOの統計に基づくSVGの漁業生産の推移である。

Fishery and Aquaculture Country Profiles Saint Vincent and the Grenadines(FAO)

グラフ15:SVGの漁業生産の推移

 1990年代後半から右肩上がりに急拡大を続けてきたSVGの漁業生産は2010年代に入って乱高下し、特に2015年からの2年間は大きく落ち込んでいる。日本へのメバチ輸出がちょうどこの時期に急増しているのも皮肉である。
日本のODAコンサル業界団体の調査報告書に記されているSVGの漁獲量はFAOの統計の数値とは大きく食い違っているが、2009年から2012年にかけては断続的な減少傾向にあるとしている。
 SVGでは水産資源の管理体制が整っておらず、科学的なデータもない。にもかかわらず、漁業生産は急激な拡大を続けた。持続的利用のリーダーを謳うなら、出しっぱなしの高額ハコモノ援助以前にやるべきことがあったのではないか。このままでは、SVGも乱獲の果てに近海の漁業資源の多くが枯渇するに至った日本の二の轍を踏むことになりかねない。自らの過ちを踏まえ、同じ愚を繰り返さないよう指南することこそ、真の先進国の援助のあり方ではないのか。

■大国の狭間で揺れるSVG

 最後にもう1つ、上掲のゴンザルベス首相発言と並び、今回の〝おもてなし外交〟のきっかけを与えたかもしれない論文を紹介したい。

①セント・ヴィンセントおよびグレナディーン諸島国ベクウェイ島における先住民生存捕鯨(浜口尚、日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2011)
②先住民生存捕鯨再考 ―国際捕鯨委員会における議論とベクウェイ島の事例を中心に―(浜口尚、岩田書院)
③ホエール・ウォッチング─小さな捕鯨の島・ベクウェイ島の厄介な問題─(浜口尚、園田学園女子大学論文集第49号)

 論者の園田学園女子大・浜口尚教授は、論文①で「いかなる形態の捕鯨も容認されるべき」だと主張している。禁止されている商業捕鯨も、SVGの定義上グレーの伝統捕鯨も、定義どおりの先住民捕鯨も、区別などせず一律に認めよという趣旨である。主として日本の沿岸捕鯨の正当化を唱えてきた社会科学系御用学者の1人といえる。日本の小笠原でのホエールウォッチング開始まで〝陰謀〟と言ってのけるほどの人物である(~論文②)。3編とも論者の思い入れが強すぎるためか、学術論文にしてはずいぶん主観的な記述が多い。
 SVGにおける捕鯨からホエール・ウォッチングへの転換の動きに〝警鐘を鳴らす〟浜口論文③は、同国の捕鯨の実情をよく伝えている。持続性の点ではこちらの方がずっとマシとはいえ、捕鯨業者間の競争や確執は、古式時代の太地鯨組内の本家・分家間の反目や、戦後の太地における追込猟グループ間の過当競争を髣髴とさせる。また、ベテラン事業者のホエール・ウォッチングへの転換のくだりは、伊東の元イルカ漁業者泉氏を思い起こさせる。
 浜口氏はウォッチング事業者向けの現地ワークショップへのIWCを経由した米豪の資金提供を槍玉に挙げているが、ODA・IWC分担金・渡航費・外房捕鯨等日本国内でのセミナーへの職員の派遣・今回の首相公式招待等に拠出してきた日本の莫大なカネに比べれば雀の涙に等しいだろう。
 同国内のNGOであるSVGナショナルトラスト主導のきわめて穏便なウォッチングへの転換の動きもまた、日本の八戸における明治期および2017年の強圧的・破壊的な「殺さない文化の圧殺」とはあまりに対照的である。

八戸の恵比寿神:八戸太郎/オナイジを殺す捕鯨サークル

 さらに興味深いのは浜口論文③の次の一節である。

SVGNT理事長によれば、彼女が小学生の頃、ザトウクジラが捕殺された時には小学校も休みとなり、彼女もプティ・ネイヴィス島にあった鯨体処理施設に解体見物に出かけ、祝祭を楽しんだ。当時、捕鯨は島全体の文化であった。ところが、鯨体処理施設が2003年にプティ・ネイヴィス島からセンプル・ケイに移設されて以降、立地場所の狭小さのため、多くの人々が解体見物に出かけることが困難となり、捕鯨は関係者だけの事業となった。捕鯨が島全体の文化でなくなった以上、彼女なりに捕鯨中止を求めてもよい理由が存するのである。

 実はこのサンプルキー解体処理施設は、上掲表8でも示したとおり、日本の援助があって建設されたものだ。その予算は958万円。IWCのSVG先住民生存捕鯨の説明ページでは、解体処理の方法は1870年代とほぼ変わらないとされている。2事業者・2隻の操業形態で、現地の物価水準に照らして、日本円で約1千万円相当もの施設が本当に必要だったのだろうか?
 同加工施設建設の経緯は浜口論文②で詳しく述べられている。捕鯨業者の土地相続問題がこじれたのが発端で持ち上がった移設の費用は、現地の事業者の当初の見積では1/6以下の153万円であった。また、解体時の汚染を懸念する観光事業者の反対運動もあり、この辺りも八戸の漁民による捕鯨会社焼討事件を彷彿とさせる。
 1千万円以下に抑えることで本省での審査を省き現地で判子を押してしまうのも〝おなじみの手口〟だが、はたして当事者のベキエ先住民捕鯨協会宛に供与された巨額の援助に〝バラマキ〟の要素はなかったのか? いずれにしても、運用維持にコスト・人員を要する立派なハコモノ施設がSVGの捕鯨の収支構造や地域・住民との関係をさらに変質させた点は否めない。日本の捕鯨と態様を近づけさせることで正当化の口実に使えると考える向きもあろうが。
 要するに、ホエール・ウォッチングに負けず劣らず、日本の援助がSVGの伝統捕鯨の有り様に変容をもたらしているのは間違いないのだ。

 さらに、浜口氏は日本に協力的だった元首相ミッチェル氏と現首相ゴンザルベス氏の地盤をめぐる政争にも触れ、2003年の年次会議で日本のニタリクジラ捕獲要求に同調せず欠席したという、たったそれだけのことで疑惑の目を向けている(~浜口論文②)。浜口氏であれば、日本もウォッチング業界の陰謀に屈せずシャチとザトウクジラも殺すべきだと訴えだしそうだ。
 ともあれ、現ゴンザルベス首相は元首相より日本に非協力的なのでは・・という情報が捕鯨サークルに届き、今回の梃入れのための〝接待外交〟につながったことも十分考えられよう。
 だが、「捕鯨国はすべからく生存捕鯨から日本の南極海調査捕鯨まで一貫して支持すべきだ」「すべての決議で日本に同調しないのはおかしい」という主張こそ、文化と価値観の多様性・国家と民族の独立性を否定するものではないのか。
 曲がりなりにも現在IWCで認められているSVGの生存捕鯨と、日本が強行している公海調査捕鯨/再開を目論む同公海商業捕鯨は、規模と侵襲性の点でまったく相容れない。一方、「食べる」から「観る」への転換は、地元民によるクジラとのつながりを保ったままの〝文化の新しい形での継承〟との見方もできる。札束に物を言わせてジゾクテキリヨウの価値観を押し付け、伝統漁業の自律性を奪う方が、よっぽどたちの悪い伝統の侵食行為といえよう。

 SVGは近隣の中米諸国同様、大国に翻弄され続けてきた小国である。面積は201カ国中187位、人口は190カ国中178位、名目GDPは191カ国中181位である。
 1983年のグレナダ侵攻の際には、介入した米レーガン政権側のカリブ平和軍についた。貿易依存度が高く、輸出・輸入とも相手国のトップは米国である。その一方で、キューバを中心に反米的色彩の強い米州ボリバル同盟6カ国の1国でもある。
 英国連邦の1国として英国との結び付きも強く、2009年にかけられた英女王の権限を弱める国民投票案は反対多数で否決された。王室の保養地とされたのも上掲したとおり。
 また、上掲日経報道が伝えるように、SVGは台湾からの巨額の援助によって新空港を整備しながら、中国筋の投融資も受け入れている。そこには小国ならではの強かさが見て取れる。
 招待を受けたゴンザルベス首相の日本に完全に歩調を合わせた発言、一見それと矛盾するかに見える「クジラは食べない」「若者は捕鯨よりウォッチングに関心がある」といった表現に、この国のそんな強かさと同時に苦悩も表れている。財政基盤の弱さ故に、対立する勢力の顔色を絶えずうかがい、神経を尖らせながら、綱渡りの外交を続けざるを得ない国の。
 SVGにとっては、経済成長のために観光・貿易で依存する英米との関係も大事にしたいが、票を与えるだけで気前よくカネをくれる日本との関係も切れない。中台両にらみ戦略と同じく、日本と反捕鯨国双方との距離を適切に保つのに腐心している。そうせざるを得ないのだ。

 SVGが捕鯨とウォッチングのどちらを選択するのか、あるいは両方存続させる道を模索するのか、それは最終的にSVGが自ら決めるべきことだ。シャチの捕獲に関しては、もし情報を与えられさえすれば、「あまりにも失うものが多すぎる」ときっと多くの国民が判断するに違いないが。
 はっきりしているのは、公海・南極海での捕鯨を支持することはSVGと同国民に何の益ももたらさないということだ。今はまだ遠い持続的漁業国の地位を確立する道は、日本の援助に頼るやり方ばかりではない。近年の漁獲量減少はむしろ弊害の方が大きいことを示唆している。
 ただ〝南極産旨い刺身〟を食べ続けたいがために、金に物を言わせて国際会議でよその国を〝人形〟として操ろうとする国が、相手国の将来のことを本当に真剣に考え、保障してくれるはずがないではないか。


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